KDC|RPGツクールで確率の考え方を学ぼう(モンスター行動パターン)
初めての確率
KDCのRPGプログラミング教室では、単純に条件分岐や繰り返しといった命令文だけではなく、先取り学習の一環として中学校に上がると習う確率等の考え方もレッスンしています。なるべく勉強と思わずに、自然と理解できるように確率を身に着けてもらいます。
プレイヤーはたたかう、魔法、防御、逃げるなどは自分たちで自由に決められるけど、モンスターはどうするんだろうね?から始まります。雑魚モンスターならひたすら攻撃だけという選択肢だけでもいいんだけど、ボスモンスターであれば、状態異常攻撃(麻痺、眠り)や回復、強力な魔法等を使用して、それなり感を出すともっと面白くなりそうじゃないという感じでお伝えしています。
モンスターの行動パターン
No | スキル | 条件 | R |
1 | 攻撃 | 常時 | 5 |
2 | 防御 | 常時 | 3 |
3 | ヒール | HPが20%未満 | 4 |
モンスターの行動は以下のルールで動きます
- リストの中から条件をみたさない行動を外す
- 条件をみたす中で一番高いRの数字を基準にして基準との差が3以上離れているスキルを外す
- この時点でリストに残った行動を行う。
ただし、Rは3/3の行動確率、R-1は2/3の行動確率、R-2は1/3の行動確率
上記の分だとお子様たちは全く理解できないので、単語帳のカードを使って、考えてもらいました。
まずはモンスターの行動パターンをカードに書きます。攻撃のカードを3つ、防御のカードを3つ、ヒールのカードを3つテーブルの上に準備します。全部で9枚あるよね。HPが20%以上と20%未満を分けて考えます。
HP20%以上のときは、No3のカードは除外されるので、テーブルの上からはずしましょう。テーブルに残ったのは攻撃と防御のスキルで、Rの最大値は5でR3はギリギリ残るね。攻撃は3枚カードそのままで、防御は5-3になるので、2枚テーブルの上から外しましょう。
No | スキル | 条件 | R | 枚数 |
1 | 攻撃 | 常時 | 5 | 3 |
2 | 防御 | 常時 | 3 | 1 |
すると攻撃のカードが3枚残り、防御のカードが1枚残ります。すると小学生のお子様でもなんとなく確率というものが理解でき、HPが20%以上のときは4回中3回は攻撃するねということに気づいてくれます。20%未満だったらどうなるんだろうね。
No | スキル | 条件 | R | 枚数 |
1 | 攻撃 | 常時 | 5 | 3 |
2 | 防御 | 常時 | 3 | 1 |
3 | ヒール | HPが20%未満 | 4 | 2 |
HP20%未満になるとモンスターの行動パターンが変わります。行動の3回に1回ぐらいはヒール(回復魔法)をするようになり、モンスターがしぶとくなります。小学生では表(リスト)を見ながら、条件分岐を考えるという授業がないため、1~2年生で理解するのは厳しいかもしれませんが、高学年になれば、なんとなく理解できるようになってくれました。
すこしだけ専門的になりますが、テーブルを見ながら条件(WHERE)を抽出する考え方を身に着けておくとデーターベース(SQL文)を学ぶときや確率の勉強が得意になってくれるので、なるべく苦手意識を持たせずに楽しくレッスンできる取り組みを引き続き行っていければと思います。
ボスになるともっと複雑な動きをすると面白いねって話をしながら、ボスモンスターらしく行動パターンを複雑にして、こどもたちにカードを使って考えてもらいました。
No | スキル | 条件 | R |
1 | 攻撃 | HPが50%以上 | 6 |
2 | 毒攻撃 | HPが20%以上 | 5 |
3 | 防御 | HPが50%未満 | 3 |
4 | ヒール | HPが20%未満 | 4 |
5 | 麻痺攻撃 | HPが20%未満 | 2 |
6 | 魔法攻撃 | 常時 | 3 |
上記の問題だと、さすがに一発でわかる小学生はほとんどいないんじゃないかなというぐらい面倒な行動パターンですね。算数と国語の融合問題だったけど、集中力を切らせずに60分間がんばりきりました。えっもう終わったのって感じで、まだまだやりたかったようです。